ウェルスナビ+ビットコイン 1年間の運用成績

2020年4月末に開始した「ウェルスナビ+ビットコイン運用」ですが、運用開始から1年がたちましたので、その運用成績をまとめます。

 

「ウェルスナビ+ビットコイン運用」とは、ウェルスナビ運用をコアとしつつ、サテライトとしてビットコイン運用を組み合わせた、独自の運用スタイルです。

コンセプトは、もしもウェルスナビがビットコインポートフォリオの一部に加えたらどうなるだろうか?を追求することです。ポートフォリオ上のビットコイン保有比率の考え方やリバランスの方法など、本家ウェルスナビだったらどのように運用するだろうか?を徹底的に追求した運用になっています。詳しくは以下の記事をお読みいただくことにして、さっそく運用成績をご報告します。

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ウェルスナビ+ビットコイン運用初年度の利益

本運用は2020年4月30日に開始しました。その時の総資産額は523万円でしたが、あれから1が経過した2021年4月30日にはなんと1071万円。この金額には積立分も含んでいますが、わずか1年で総資産額を2倍にすることができました。

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あらためて図を説明します。

運用開始時点の保有資産は、ウェルスナビが498万円ビットコイン25万円で、合計523万円でした。

本運用では定期積立を行い、その額は毎月15万7500円としています。1年間(12か月)で合計189万円の積立実績となりました。

積立額の内訳は、ウェルスナビの定期積立として毎月15万円を設定し、これとは別にビットコイン用に7500円を準備します。実際には毎月ポートフォリオの各資産額を点検し、ビットコインが値下がりしていればビットコインの買付に多くの金額を回したり、逆にビットコインの価格が高騰していれば7500円全額をウェルスナビに入金したりして、ポートフォリオ配分比率の適正化(積立時リバランス)を図っています。

また、ウェルスナビが半年に一度実行する資産全体のリバランスの際には、ビットコインの売買を伴う全体のリバランスを実施しています。本運用では2020年の8月と2021年の2月に全体のリバランスを行いました。

積立時リバランスと全体のリバランスを合わせると、計85万5700円ビットコインからウェルスナビに移転しました。この移転額はビットコインの元本を越えています。なにせ、この1年のビットコイン価格は右肩上がりでしたから。

これらの結果、2021年4月30日の終値基準での総資産は1071万円になりました。この間の値上がり益(分配金受け取りや手数料/税金の支払い分を含む)は、359万円という結果になりました。

 

ウェルスナビ+ビットコイン運用の投資理論

ウェルスナビ+ビットコイン運用は、マーコビッツの現代ポートフォリオ理論に基づいて運用しています。本運用の大部分がウェルスナビを活用したものですので、ウェルスナビが採用している理論に基づくのは当然と言えるかもしれません。

この投資理論で採用されている期待リターンとリスクの値を元に、資産価格の変動が正規分布をとると仮定すると、将来にわたる運用成績を確率を用いて予測することができます。下図はその予測と、実績を重ねて表したグラフです。図中、折れ線グラフで示した資産額の実績が2021年3月には1000万円を越え、予測値を優に上回っていることが見て取れます。

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グラフの読み方を説明します。横軸が2020年4月末から2021年4月末までの、本運用の運用期間を表します。

面グラフは資産額の予測値で、濃い青色の上端が確率30%で達成できる値、白線が確率50%で達成できる値、濃い青色の下端が確率70%で達成できる値です。グラフが若干歪んで見えますが、シミュレーションで1万回試行した統計値を用いているためです。なお、この理論によると2021年4月末には、50%の確率で746万円以上になると予測されていました。

折れ線が実績値で、2021年3月末には1000万円を突破していることが確認できます。実績が予測値を大きく上回った背景には、コロナショックからの回復局面に運良く重なった点が挙げられると思います。もちろん、ビットコイン価格の急騰という点も外せません。

では今後はどうなるのか?予測平均値に回帰するような力が働いて、価格は下落するのでしょうか?残念ながらこの質問には答えが無いとしか言いようがありません。

株価やビットコインのファンダメンタル価値があると考える方にとっては、それぞれの経済見通しに対するそれぞれの適正価値があり、その価格に向かって調整されていくことになるでしょう。

一方、ウェルスナビなどが採用する長期投資目線では、今の価格を基準に、長期的には緩やかに上昇すると考えます。今の価格から期待リターンを上回っていく確率も、下回っていく確率も同じようにあると考えるのです。結局、何も考えずに積立を継続せよ、というのがこの考え方における一つの答えになります。本運用は後者の考え方に基づいているので、1年で10倍になったビットコインも、積立継続とします。

 

ウェルスナビ+ビットコイン運用の資産内訳

それでは、資産の内訳を詳しくみていきましょう。

資産クラスは、下図の7つです。上から6つまでがウェルスナビに任せておけば自動的に運用してくれる部分です。最後の暗号資産(ビットコイン)だけは私が独自に口座をもって保有している分です。

損益列は運用開始当初から利益額です。保有資産の含み益に加えて、売却により実現した利益や、当該資産から得られる分配金も含んでいます。ウェルスナビに支払う手数料や一部の費用が別途差し引かれるため、損益欄の合計は本運用の利益総額とは一致しません。

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ウェルスナビの画面もつけておきます。さきほどの図とは参考為替レートが若干異なるため評価額は厳密には一致しません。また、「損益」の部分は両グラフで異なる概念の数値を載せていますので、混乱なさらないでください。「現金」部分はビットコイン取引で生じた端数6円だけずれが残っています。

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ビットコイン口座の状況です。私はSBI VCトレードを使っています。現金保有分(前述した端数6円を除く部分)はこの運用とは別の資金ですので、上記の総資産額には組み入れていません。

画面キャプチャのタイミングが異なるので、ビットコイン評価額は上記記録より1万円ほど値下がりした57万1901円となっています。

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ウェルスナビ+ビットコイン運用が優れている点

最後に、本運用が優れていると思われる点をご説明します。

ただその前に、ウェルスナビあっての本運用である、ということは強調しておきたいと思います。ウェルスナビは運用方針をわかりやすい形で公開してくれているので、実際に使ってみることで、初心者であっても長期投信の本質を納得することができると思います。

こうした理解を得たうえではじめて、本運用のような応用パターンを試してみることができます。私は暗号資産を加えたポートフォリオを作ってみましたが、他にも、ハイイールド債とか未公開株とか、やり方はよくわかりませんが面白い運用パターンを自分で作っていくことができるのではないかと思います。

本運用の優れた点は、複雑なトレードに頼らないという点にあると思います。私が行ったことは、ウェルスナビに定期積立を設定したことと、ウェルスナビのやり方を参考にして同じようにビットコインの売買を行ったことだけです。この一年の好成績は確かに偶然の要素が大きかったとは思います。それでも過度な心労なく淡々と積立を続けてこれたことや、ビットコインの急上昇局面での狼狽売りをしなくて済んだのは、自分を律するための明確なルールが存在していたからだと思います。私のような初心者が自分でルールを作って、惑うことなく運用を継続することはそれほど簡単なことではありませんからね。

さて、ビットコインが将来どのような姿になっていくのかを想像することはできませんが、この運用はもうしばらく(あと1年以上は)続けていきたいと考えています。引き続き見守っていただければ幸いです。