日欧株と新興国株のリスクも検証

以前書いた記事で、ウェルスナビのホワイトペーパーで想定されている米国株の期待リターンとリスクを検証してみました。検証期間はわずか2年4か月でしたが、想定はおおむね妥当だという内容でした。

今回は同じ調子で日欧株と新興国株についても検証してみたいと思います。

期待リターンは明らかに想定に届いていないと予想されますが、ともかく調べてみましょう。

VEAとVWOの価格推移 

ウェルスナビでは日欧株としてバンガード社のVEA(バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF)、新興国株として同じくバンガード社のVWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)を採用しています。

2017年8月以降のそれぞれの価格を下図に示します。橙色の線が各月末時点での価格で、青色の線は配当込みの仮想的な価格です。配当込み価格の算出方法は前回と同様、配当が振り込まれた月の末日に、配当額から30%の税金を差し引いた額に相当する口数を再投資したと考え、その口数分の価格を加味した価格です。

本記事では、配当込みの価格に対してリターンとリスクを評価します。

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VEAとVWOのリターンとリスク

ここでは、月次リターンをそれぞれ計算してから年換算する手法を採用します。この方法は月次リターンが正規分布をとると仮定した場合に成り立つ方法で、年間の期待リターンについては月次リターンの平均値に標準偏差を加味した補正値を12倍して、またリスクについては月次の標準偏差をルート12倍して求めます。

計算結果を下表に示します。

月次リターンとは、2017年8月から2019年12月までの28個の月次リターンについて計算した結果です。その右に年率換算した結果、さらにその右にウェルスナビのホワイトペーパー記載値を示します。

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平均値の年率換算値とはすなわち、年間での期待リターンのことです。やはり想定通り、ウェルスナビのホワイトペーパーに書かれている値を大きく下回ってしまいました。これだけ成績が伸び悩んでいれば当然の結果ですね…

リスク(=標準偏差)はウェルスナビのホワイトペーパーの値よりも小さい数値になりました。ただ、日欧株より新興国株のほうが高いという傾向はそのまま検証結果にも表れています。

最後に、米国株(VTI)との相関係数も計算してみました。年率換算という概念が無いため、月次と同じ値を転記しています。こちらはウェルスナビのホワイトペーパー記載値とほとんど同じ値となりました。リターンは全然あたってないのに、相関係数は近いなんてこともあるんですね。

あまり焦ってもしょうがないですが、日欧株と新興国株には頑張ってほしいところです。

 

↓米国株の検証結果はこちらです。

curvex.hatenablog.com