DeTAX(税金最適化)による2019年の事実上のコストは0.64%!

ウェルスナビには、損失が出ている銘柄をいったん売却し、即座に買い戻すことで税金を繰り延べる機能があります。これにより運用コストを引き下げることができるのですが、その効果についてウェルスナビは次のように説明しています。

「WealthNavi for SBI証券」の運用手数料は1%ですが、多くの場合、「DeTAX」(デタックス)の機能により年間0.4~0.6%程度の負担減となるため、事実上のコストはそれよりも少ないものになるでしょう。

出典: WealthNavi for SBI証券 柴山CEOインタビュー記事より

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 この記事では、私の運用実績を元に”事実上のコスト”がどのくらいであったのか検証してみます。

 

DeTAX(税金最適化)では何をしてくれるのか?

DeTAX(税金最適化)では、損失が出ている銘柄をいったん売却し、即座に買い戻す、という一連の取引が実行されます。私の場合は、2019年10月4日にこの機能が発動しました。当時私の保有銘柄のうち、「日欧株(VEA)」と「新興国株(VWO)」で含み損が発生していましたので、これらを売却し、同日中に買い戻すことになりました。

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この図を見てもわかる通り、まったく同じ条件で売却と購入が実行できていました。なお、取引された口数は当時私が保有していた全数分でした。

 

事実上の運用コストはいくらに?

2019年の1年間で発生した税金コストは合計15,958円でした。その後、上記のDeTAX(税金最適化)により、14,400円が還付されました。 DeTAXが実行されたのが10月4日で、その後に発生した税金コストが反映されていないこともあり、全額が戻ってくるわけではありませんでした。

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 さて、2019年の1年で支払った運用手数料は合計で40,462円でしたので、この金額からDeTAXによる還付金を差し引くと、事実上の運用コストは26,062円だったということになります。

この40,462円を「運用手数料の1%」と考えると、事実上のコスト(26,062円)はおよそ0.64%だったということになります。

負担減としては約0.36%なので、この記事の初めに引用した「年間0.4~0.6%程度の負担減」には若干届いていませんが、おおむねこの通りだったと言ってよいのではないかと思います。

 

いくつかの注意事項

  • DeTAXが行ってくれるのはあくまでも税金の最適化、つまり繰り延べにすぎません。還付された税金は最終的に運用を終えるときに支払うことになります。しかしその間に受け取る運用益が自分のものになることには変わりありませんので、特に長期で運用する場合は無視できない効果があるはずです。

  • 上記の通り、保有銘柄に損失が出ていないとDeTAXが発動しませんので、長期投資で運用が安定してくるころにはDeTAXが機能しなくなるという可能性もあります。全体として儲かっているのだから良いという考え方もあるかもしれませんが、ちょっともったいないですよね。

  • 今回ご紹介した事実上のコストは、私の運用実績から計算したものです。運用スタイルによってはこれより良い結果が出たり、逆に悪い結果になったりすることがありえます。また、上記に出てくる運用手数料は消費税込みの金額ですので、厳密に計算すると事実上のコストは少し変わってくると思います。