ウェルスナビ 26か月間のパフォーマンス検証

2月も終わり、私のウェルスナビ積立運用も26か月が経過しましたので、ここまでのパフォーマンスをまとめておきたいと思います。

2月末はちょうどコロナショックが直撃したタイミングです。大幅なマイナスを覚悟しておきましょう。

なお、比較対象となるベンチマークを、今回は2通り用意しました。いずれもウェルスナビのホワイトペーパーに書かれている期待リターンを元にしたものですが、計算方法が少しだけ異なります。

2通りのベンチマーク

ところで先日、ウェルスナビのホワイトペーパーが更新されました。変更点は細かなパラメータのみで、運用方針やETFの種類などは維持されました。今回ベンチマークとして採用する期待リターンは、更新前の数値を使用していますのでご注意ください。

ウェルスナビのホワイトペーパーでは、リスク許容度「5」の期待リターンを7.16%としています。

ベンチマーク1つ目は、この数値をそのまま複利で採用するというものです。ただし、ウェルスナビは保有資産に対して1%の手数料が毎年かかりますので、消費税を考慮して実質1.1%を控除する必要があります。すなわち、リターン6.06%を毎年達成するという前提で計算したものを、「ベンチマーク1」としておきます。

ベンチマーク2つ目は、月次のリターンが正規分布すると仮定した場合に達成できる期間収益を採用するものです。この場合、たとえ毎月の期待リターンが7.16%だとしても、一定期間運用した結果である期間収益は、7.16%よりも小さくなってしまいます。この減少幅はリスクに応じて変わり、リスクが大きければ大きいほど期間収益が小さくなります。

具体的な方法を説明します。まず7.16%から手数料分を控除し、6.16%とします。一貫性がないですが、ここでは消費税分は無視しました。(無視できるという合理的な根拠があるわけではなく、たんなるご都合主義によるものです)

これを月次に換算するために12乗根をとり、μ×Δtに分解します。Δtは1年を12か月に割ったもので、0.0833とします。すると、μは6%と計算できます。

次に、リスクとして標準偏差を導入します。今回は、別記事で推定した値である14.9%を用います。これらの数値を用いて期間収益率を計算すると、4.89%となりました。詳しい計算は下記記事も参照してください。

curvex.hatenablog.com

 まとめると、月次のリターンが正規分布すると仮定した場合でも、4.89%複利で期待できるということです。これを、「ベンチマーク2」としておきます。

どちらが理論的に正しい、ということは無いと思います。月次リターンが正規分布すると考えるならばベンチマーク2と比較すべきですが、そもそも月次リターンが本当に正規分布をとるのかどうかはわかりません。未来は常に不確実です。

しいてどちらかというならば、ベンチマーク2を中心に考えていきたいとは思っています。(ベンチマーク2が達成できれば、ウェルスナビの将来予測シミュレーション通りの結果が付いてきます)

2017年12月末から2020年2月末(26か月間)のパフォーマンス

私が毎月15万円の積立を始めた2017年末からのパフォーマンスを検証します。開始当時の総資産額が110万1019円でしたので、この金額から運用を始めたと考えることにしましょう。

26か月間の運用結果が以下の図です。入金額の合計を面グラフ、2種類のベンチマークを曲線、実際の運用結果を青の点付き折れ線で示しています。

f:id:curvex:20200304173251j:plain

先月まではおおむねベンチマーク程度の収益が得られていましたが、コロナショックが直撃した結果、大幅に下落してしまいました。かろうじて入金額を上回っていますが、これもいつまで持ちこたえられるかわからない状況です。

下図は直近1年を拡大したものです。振り返ってみると、1年前も下落相場でしたね。過去1年間ほとんどの期間でベンチマークに届かず、時には累積入金額も下回る赤字状態もありました。昨年暮れにようやくベンチマークに追いついてきましたが、また逆戻りです。

f:id:curvex:20200304173309j:plain

以上、ウェルスナビのホワイトペーパーに書かれている期待リターンで運用できた場合をベンチマークとして、過去26か月間の実際の運用結果と比べてみました。

今月はできれば見たくないほど散々な結果でしたが、こういう場合もあることをきちんと想定しながら資産運用を考えていく必要があります。

 

(こちらも参考)

curvex.hatenablog.com