ウェルスナビの運用を真似できるか? (その2/改訂)【2020/5/7追記】

前回、ウェルスナビの運用を真似できるか?と題して、ウェルスナビ代替運用シミュレーション結果を紹介しました。その目的は、ウェルスナビを使わずに、既存の他のサービスだけを使って、ウェルスナビと同じような資産運用ができるかどうか?を、シミュレーションにより検証してみることでした。

しかしここまでやったのだから、ウェルスナビの運用アルゴリズムとほとんど同じような運用シミュレーションもできるのでは?と思い、今回はシミュレーションのアルゴリズムを修正して、より実際のウェルスナビに近い運用を模擬してみることにしました。これを名付けるとすれば、「ウェルスナビ模擬運用シミュレーション」です。

 

模擬運用シミュレーション

今回の模擬運用シミュレーションでは、実際のウェルスナビの買付パターンに近づけています。ただ、それほど厳密なシミュレーションを行っているわけではなく、前回同様毎月末に1回、各資産クラスの買付口数を計算するという簡単なものです。すなわち、積立購入時のETF価格、為替レートは毎月最終取引日の終値で決済できたとします。分配金の受取も、分配月の月末の為替レートで換算し、日本円で受け取ったと考えます(月初に分配されるものは、前月末のレートで受け取ると考えます)。

シミュレーション期間も前回と同じで、実際に私がウェルスナビで積み立て運用を開始した2017年末開始です。手数料は買付時手数料をゼロにして、その代わり毎月資産額に応じた手数料を付加し、その額を前月末ETF保有額の1%+消費税分(12で割って1か月分に換算)に変更しています。DeTAXやミリトレは今回は採用していません。

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ウェルスナビの運用を真似した結果(模擬運用シミュレーション)

以上の方法で、2019年12月末までシミュレーションしてみました。 

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カーブのウェルスナビ模擬運用シミュレーション結果

2019年12月末の総資産額は、5,074,535円となりました。

前回の記事で詳しく計算した通り、私が実際にウェルスナビで運用してきた同期間の運用結果は5,077,420円で、誤差はわずか3,000円以下となりました。*1

(↓前回記事はこちらから)

curvex.hatenablog.com

今回のシミュレーションは実際のウェルスナビと同じようなアルゴリズムを採用しているので誤差が小さいのは当たり前かもしれませんが、月単位でしか計算していない粗いものですので、意外に正確な模擬ができたのではないかと思います。

この結果をみて、前回の記事で紹介したシミュレーションが正しい(現実をよく表している)ものだという確信が深まりました。

前回記事の結論は、ウェルスナビを使わずに、既存の他のサービスだけを使って、ウェルスナビと同じような資産運用ができるかどうかを検証してみた結果、2年間の運用で1万円ほどウェルスナビの運用を上回ったというものでした。主な要因は手数料水準の違いで、やはりウェルスナビの手数料は高かったということになるのでしょうか。それとも、DeTAX(税金最適化)の効果を加えればウェルスナビの成績のほうが上回ってくるので、これを踏まえればウェルスナビの手数料水準は妥当、という結論になるのでしょうか?

なかなか興味深い結論ですね。いずれもっと掘り下げてみたいと思います。

 

 (本記事は、2020年2月5日付同名の記事の誤りを修正し改訂したものです。)

 

【2020/5/7追記】4月末時点での比較検証結果

同じ方法で、2020年4月末までシミュレーションしてみました。 下記がシミュレーション結果です。

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私が実際にウェルスナビで運用してきた同期間の運用結果は下記の通りです。手数料の引き落としが翌月となる分は差し引き補正します。また、これまでと同様DeTAXをシミュレーションに加えていないので、これも補正します。

これらの結果、誤差は10,000円程度でした。昨年12月末までで比較したときよりも拡大してしまいました。

実は毎月の定期購入の際のリバランスで、資産の売却も行うように設定していたのですが、これが大きな誤差につながった可能性があります。

ただ、あまり精度を追求しすぎると、簡単なシミュレーションでウェルスナビ運用を模擬できるか?という目的に反してしまうので、もうしばらく様子を見てみたいと思います。

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*1:実際のウェルスナビでは様々なキャンペーンが行われており、私は期間中合わせて2,500円のキャンペーンボーナスを受け取っているので、これも差し引くと誤差はたったの385円となります。さすがに偶然だろうと思いますので、堂々と宣言するのはやめておきます(笑